プロローグ

インドに行くまで
 きっかけといっても特にそれらしいものは無かったのだが 大学の4年を卒業し、ただ漫然と大学院に行くもその道に疑問を感じていたころだった。
このまま大学院で2年過ごし、順調に就職する。
それで、僕は何者になるんだろう?何が出来る人間になるんだろう?
そもそも、研究というものにもう完全に興味がなくなっていた。
それがまずかった。自分の中で意義が見出せなくなって2年も耐えられるだろうか?
このまま目的意識も無く流されたら本当にダメになる。
そう思い、僕は敷かれたレールから飛び出すことを決めた。
僕には何も無い、 何も出来ないのではないか?ずっと前からそう感じていた。
まずは自分に何が出来るか試してみたい。
というわけで海外一人旅を計画した。

 海外旅行は探検部での先輩の話を聞いていつか行きたいと漠然と思ってはいた。
しかし、気が付いて見れば自分も卒業してしまったし、行くなら自由な今しかない。


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