アグラー編

バスでジャイプルへ
 次の日、相変わらず食欲はないが腸の調子もだいぶよくなってきたようで、この日はバスでジャイプルに行くことにした。
ありがたいことにホテルSAKURAからはジャイプル行きのバスが発着していて、ラムさんがチケットを手配してくれたのだ。
病気のせいでろくに街を見て回れなかったのが残念だったが、
アーグラーはもういいや、ここにいるとなんだか気が滅入る。
ラムさんにお別れを言いバスに乗り込んだ。
バスに乗るとホテル前の売店の店員が僕に変なサインをしている。
男だか女だか分からないやつだ。
少年のようにも見えれば中年の女のようにも見える。
昨日奴には容器に穴が開いたミネラルウォーターを買わされそうになった。
僕が穴が開いてることに気付くと悪びれる様子もなく「問題ないこうやって飲むんだよと」穴から勢いよく飛び出る水を飲んで見せたのだった。
まったくインド人はジョークが大好きらしい。
最後にその彼(彼女?)にお別れに変なポーズを返してやってバスは出発した。
ツーリストバスだったが一人欧米人が乗っているほかは皆インド人だった。
日本のバスにも劣らないしっかりしたバスだったが運転はやはり荒い。
アーグラーとジャイプルを結ぶ幹線道路は幹線道路というにはあまりに未整備で細く、バスはトラックをぎりぎりの間隔で次々と追い越すもんだから生きた心地がしなかった。
その距離わずか50センチ、手を伸ばせば簡単に届く。
トラックもトラックで大抵が過積載で、中にはトラック自体の大きさの二倍はありそうなほどの荷物を積んでいた。
そんなんばっかりだから途中バランスを崩して横転しているトラックもちらほら見かけた。
さすがインド、やることが違う。
そんな楽しい光景を見ながらなので移動中はちっとも飽きなかった。
景色は徐々に緑がなくなり、乾燥した大地に変わっていく。
それとともに駱駝が目に付くようになった。


景色を眺めているとふと視界に黒いものが目に入ってきた。
なんだ?
子供が黒い毛むくじゃらの動物を・・・・・紐でつないで散歩させている。
しかも、3匹いるそれは子供よりかなりでかいように見えた。
よくよく見るとそれは・・・・





熊だった!!!


なぜ!?

熊は家畜になるのか?

それともサーカスで芸でもさせるのだろうか?

さすがインド、訳がわからない。
謎だらけの国


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