デリー編

うる星やつら
  また町を歩いているとインド人が寄ってきた。
その青年は「ナマステ」と言ってフレンドリー握手を求めてきた。
こいつはさっきまでのとは雰囲気が違う。

こいつはいいインド人かもしれない。

僕もいつもつっけんどんに無視するのも疲れてきていたのでちょっとだけ話してもいいかなと思った。 ところが話すうちにどうも彼は僕をある所に連れて行きたがっていることが分かってきた。
どこに行きたいんだとしつこく聞かれて特に行く当てもなかった僕は「インターネットカフェだ」と答えた。
するとどうやら案内するつもりらしい。
「私が2Rsだすからお前も2Rsだして一緒にリクリャーで行こう」奴は言った。
むむむ!何やら怪しい感じがしてきた。
僕は「こっちのインターネットカフェに行きたいんだ」と言ってみた。
すると「こっちは政府がやっててタダだよ、行こう!」と僕の手を取りどうしても連れて行きたいらしい。
「明日いくからいいよ」と言っても聞かなかった。

ああ、うざい、どうしてほっといてくれないのだろう。
やはり構わないほうが良いのだろうか。

そう思いもう完全無視を決めた。
そして早足で細い路地を適当に通り抜けようやくあきらめたかなと思った直後、 今度は別の男が現れた。
こいつもまたしつこい。
無視していくと、なにやらおかしなことを言い始めた。
「こっちは危ないよ!テロリストが戦ってるんだ。」
……アホか。
そんなの誰がだまされるんだ。
僕は「へえ、それは見てみたいもんだ。」と言った。
さらに進むと「そんなに見たいなら見せてやるよ。」
「何をそんなに怒ってるんだ。」とおっしゃる。
それでも歩きながら無視し続けていると。
いつの間にかさっき巻いたはずの最初の男がまた現れ、さらには三人目も出てきて入れ替わり立ち代りうだうだ言ってきた。
しまいには「俺と戦いたいのか?」と腕を曲げファイティングポーズをとる始末。

うぜえ!(怒)

僕は三人に指を指し「お前らグルだってのは知ってんだよ。」と身振りで示したら、意外にも奴らは苦笑いしながら去っていった。
あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまった。
安堵と疲労がどっと押し寄せた。
今日はもう何もやる気がしない。ホテルに戻ろう。


BACK TOP NEXT