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さよならヘギョン
朝、夜明け前に起きた。
ヘギョンの部屋を見てみると外側からの鍵は外れ内側の鍵が掛かっていた。
どうやら帰ってきたようだ。
まずは一安心だ。
僕は起こすのもなんなので置手紙をしてお別れすることにした。
最後に会わないまま行くのは心残りだったが仕方がない。
彼女とは一緒にカトマンズに行くような雰囲気もあったのだが、
僕はそれはやめておいたのだった。
前も言ったようにこれは僕の旅だ。
一緒にいるとどうしても互いを束縛してしまうし、
自分の旅ではなくなってしまう。
さよならヘギョン。
一方、僕らと同じ日にトレッキングに出発したヒロも下山予定の1日になっても帰ってこなかった。
一人で登っていたので遭難とかしてなければいいけど。
でも、まあ彼に関しては僕はあまり心配していなかった。
いろいろ経験豊富な人なので天候が悪かろうがマオイストに遭遇しようが彼なら死ぬような事にはならないだろう。
ただ、別れをいえないのが残念だ。
僕はホテルを後にした。
今日は朝から最高に晴れている。
バスパーク(バスの発着場)から見るヒマラヤはまるで大空に浮かぶ島のように幻想的な美しさを放っていた。
バスがやって来た。
今回のバスはちゃんとしたツーリストバスでゆったりと快適だった。
バスの中ではいろんなことが頭に浮かんできて退屈しなかった。
カトマンズには5時間ほどで着いた。
バスパークから見るアンナプルナ。
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