バラナシ編

到着
 夜の間に列車はラックノウに着き家族連れは降りていった。
そしてしばらく走って家族連れがいた場所には別の人が乗り込んできた。
時間を見ると列車は予定より大幅に遅れているようだった。
理由は分からないがしょっちゅう列車は何も無いところで止まった。
乗客は列車が止まるとのんきに外に出て小便をしたりしていた。
予定では16時間で着くはずなのにもうとっくにその時間は過ぎている。
腹も減ってきた。
そういえば昨日からあまりまともな食事をしていないことを思い出した。 チャイ屋や食い物を売る人は頻繁に乗り降りしていたがあまり食いたいと思うものが無く、僕は卵や豆とか軽いものしか食っていなかった。 サンドイッチっぽい得体の知れないものも売りに来たが腹を壊さないか非常に心配だったのでやめておいた。
今度から列車に乗るときは何か食うものを持参しよう。
外を見ると朝だからか霧がとても深く立ち込めていて、僕を不安な気持ちにさせた。
それでも、バナラシには昼ごろには着いた。
霧はもうすっかり晴れ、時計を見ると出発してから丁度24時間経っていた。

 駅前にはやはりうるさいリクシャーが沢山いた。
僕が乗ったリクシャーには三人の男が着いて来てしまった。
今日は面倒なのでそのままにしていたらやはり僕が指定した場所には連れて行ってもらえなかった。
最初に連れてこられたホテルは高かったので断ると次のホテルに連れられていった。
そのホテルの部屋は一泊100Rsだった。
屋上にはレストランがあってスキンヘッドの日本人が日向ぼっこしていた。
軽く会話をしてこのホテルがそんなに悪くないことが分かったので今日はそこに決めた。
下に降りるとリクシャーマンがまだいてリクシャー代とは別に案内料をよこせと言い出した。
こいつはホテルからコミッションをもらえなかったのだろうか?
しつこかったので僕はぶち切れて奴を追い出した。
毎度のことながらうんざりする。
僕は部屋で一息ついた。


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