ミャンマー旅行記・タイ編

<マイフレンド2>
この犬とは島に着いた日の夜に出会った。
その夜はバンガローを経営する家族が豚の丸焼きを作ったのでパーティを開いた。
料理は大概旨かったが脂の多い豚肉が苦手な僕はその肉を持て余したので、テーブルの周りをウロウロしていたこいつに一切れだけあげた。
それが始まり。

次の日、僕がバンガローから出掛けようとすると、こいつが入り口で寝ていた。
どんな奴が餌をくれるのか知っているのだろう、賢い。
僕は朝飯にビスケットをあげた。

それからというもの彼は僕についてくるようになった。
というか、彼のほうが先に歩いていくため僕が彼の散歩に付き合う形となった。



島育ちのためか泳ぐのは得意だ。




ついていくと色んな発見がある。

ここはゴムの木の林。
でも、この道の先には別の犬が数匹いて吠えるため彼は通れない。
僕だけ散策して帰ってくると彼の姿はなく、笛を吹いて呼び寄せたら他の犬に追われて泣きながら戻ってきた。
散々な目に会ったようだ。



別の日、同じように散策していくと、彼はいつもと違って道なき道を進んでいくので僕は付いていった。
僕らはどんどん森の奥へ。その走り方がいつもと様子が違うので僕は好奇心を刺激された。
一体どこに行くんだろう。かなり速くもう追いつくのだけで精一杯、これはただの散歩じゃないぞ!

10分程走っただろうか?
彼は一本の木の前で立ち止まり、そこをぐるぐると回り始めた!

こ、これはもしかして・・・

ここ掘れワンワンとか言ってお宝がザックザックなのか?

が、次の瞬間
黒い小さな物体が弾丸のように木の根元から飛び出した。



ネズミだー!



必死になって僕と彼はこのネズミを追いかけていたのだ。




連れて一緒に遠くへ行こうとするとどうしても知らない犬に警戒され、行動範囲が限られてしまう。

また別の日、僕が島のもっと奥の方に行くためわざと彼を巻いて置き去りにしたことがあった。
僕はしばらくしてバンガローに帰って来たのだが、彼の方は一向に帰ってくる気配がない。
まだ、巻いたあの場所でウロウロしてるのかもしれない。
僕は探しに行ったが、巻いた場所には別の犬が数匹いるだけだった。
笛を吹いてみるが現れなかった。
しばらく時間を置いてもう一回吹いてみた。
近くにはいないのかもしれない。
しかし数分後、ついに現れた。
クゥーンクゥーンと泣きながら駆け寄ってきて、まるでいじけてるようだ。
「悪かったな。」
僕が慰めようと撫でてあげていると、あることに気付く。


あまりに嬉しくて興奮したせいかもしれないが・・・、










彼の立派なイチモツが、








立っていました!








「でかい!!・・・でも、なんで?」






今日も夕日が綺麗だ。




さあ、ベンはどっち?






島にいる最後の日、どこからともなく似た犬がやってきた。
兄弟なのだろうか。
その犬は何故か彼によくなついて、いつも付いて回るのだった。
よかったじゃん、これで僕がいなくなっても寂しくないね(迷惑そうだけど)

でもね、

最後ぐらい見送りに来てもいいんじゃない!?

この、薄情者め。



おしまい


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