カルカッタ編

そうだ、フェリーに乗ってみよう
 午後になった。今日もラジュと会う約束をしていたので、またリンセイホテル前に向かった。
だがついにラジュは現れなかった。
ラジュもきっともうボレないと思って諦めたのだろう。
昨日あんなことがあったから、さっさと他のターゲットに乗り換えかな?
そんなに期待していたわけじゃないが僕は少し寂しかった。
次はどこに連れて行ってくれるんだろう?と考えていただけに。

 そういうわけで僕は午後から暇になり、何となくフーグリー川(*19)を往復するフェリーに乗ってみようかと思った。
ほんの暇つぶしです。
でも、インドならばその暇つぶしが癖になるぐらい面白いのだ。
まずフェリー乗り場に着くと片道2.5Rsの切符(安い!7円程。)を買う。
そして僕はフェリーが接岸するフェリーランチに向かって歩いていった。
すでにフェリーが何隻か接岸している。
そして僕が丁度着く直前に目的のフェリーが出発してしまった。
走って飛び乗れば船に届いたけど僕はインド人のようにクレイジーじゃないので止めておいた。

・・・。
暫く待つと次のフェリーがやって来た。
接岸の仕方、これがまたインドらしい。
すごい勢いで突っ込んできてはドリフトを決める。運転は見事なものだ。
しかし、乗客のことなど知ったことかという感じで思い切り旋回する船体はかなり傾く。
そしてドリフトの勢いが若干余ってフェリーランチに激突!
フェリーランチが大きく揺れるのが楽しかった。
僕は船に乗ると船内を見渡してみた。乗客は沢山いる。
やはりこれだけ大きな川だとフェリーは重要な交通手段なのだろう。
船が流れに逆らって上流に向かっていくと川に架かるハウラー橋がよく見えてきた。
とても大きな橋だ。
僕は感心したがもっとすごいものを見つけてしまった。



橋を歩いてわたる人である。




米粒ほどの大きさにしか見えないがこれ全部人。ものすごい人数だ。
数千人はいるのではないか?
タダで渡れる橋はフェリーよりも重要な交通手段なのだろう。
またいいものを見させてもらった。


(*19)フーグリー川:カルカッタ市街を流れる大きな川。ガンジス川の支流に当たる。


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