カルカッタ編

インタビュー
 カーリーガートからの帰り道、僕はボランティアを通じて少し仲良くなった針師のカネモトさんと一緒に歩いていた。
僕は彼に何故ボランティアを始めたのか聞いた。

   彼は針灸の仕事を日本でしていたが、3年も続けていると仕事が倦怠期に入ってしまったと言った。
このままじゃいかんと思い、精神修行のためにこうやってインドでボランティアをしていると言う。
彼は自分の技術をちゃんと患者のために役立てている。
いくら人間金儲けをして金持ちになっても人間がだめなら生きてる意味が無いから・・・そう彼は僕に言った。
同感。
僕はいつも思うのだ。幸せはいくらお金があっても手に入れられない。
幸せな人生を送るかどうかって人を見れば大体分かるもんね。
しかめ面でいつも不平を周りにぶちまけている人はまず不幸のまま死ぬなと思う。
どんなに儲けようともどんな偉業を成し遂げようとも、その人は不満足のまま死ぬ。
生き方が下手だなと思う。
代わりにいつも笑顔で、何事も楽しめる人は、自ら福を呼び込む。
金なんかちょっとしかなくても最後まで幸せだろうと思う。
これは何度でも言うが、お金で幸せは買えないのだ。
フェラーリやベンツを手に入れても、満足は一瞬。すぐに次が欲しくなる。
そんなことより笑顔の練習をした方がいいんでないの?
僕は物の無い貧しいインドでたくさんの笑顔を見た。
その笑顔、それだけで僕は来た甲斐があったと思う。


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