カルカッタ編

チキン
 さて、僕達はカーリー寺院前の参道を歩いていた。
露天商や参拝客や乞食でごった返している道で僕らは道に横たわっている男を見つけた。
腕で顔を覆い膝を折り曲げ仰向けで寝ている。
燦々と太陽が降り注ぎ、人で賑わう道端なのにその男は寝ているのだ。
男からは生気が感じられなかった。

「死んでんじゃねーの?」

冗談のつもりかカネモトさんは軽く笑いながら言った。
周りのインド人も誰も気にも止めない。
僕はただ通り過ぎるだけだった。
きっと寝てるだけだろうそう自分に言い聞かせて。
確認する勇気はなかった。


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