ポカラ編

NEW YEAR`S EVE
 朝になると早速サランコット山頂に日の出を見に行った。
今年最後の日の出はあいにく曇天のためあまり綺麗には見えなかった。
山も雲に隠れてイマイチの景色。
それにしても日本人がやたら多い。
半分が日本人だ。
新年をヒマラヤで過ごそうと言うのか。
せっかく海外に来てるのにこれはかなり気分が悪い。
親子連れやら、中高年のオヤジやらマダムやらがいっぱい。
ここはどこの国よ?日本ですか?
かく言う僕もその日本人の一人には違いないのだけど。
それにしてもなんと言うかこのむかつきは、東京近辺の海やハワイなんかでよくありそうな「海が人で埋まってる」状態を目にしたときに近いかもしれない。
確かにあれはひどい。
海は人が群がるべき場所じゃない。
おまえらはアザラシか!と言いたい。
海は広いからいいんじゃないか。

同様に海外に来て日本人の大群と出くわすときほど残念な事はない。
山ならなおさらだ。
ナラエンが言っていたが今の時期は日本のツアー会社が組むツアーの関係上どうしても日本人は多くなるのだと言う。
しかし、もう少しすれば日本人も少なくなり丁度よくなるそうだ。
「ヒマラヤに昇る初日の出を見ようツアー」ですか。
情勢の不安で観光客が激減してるのではなかったのか?


展望台に群がる外国人たち。げんなり。

 ミユキさんたちは一足早く出発した。
10時までには空港に着き日本に帰らねばならないらしい。
アドレスの交換をして写真を送る約束をした。

 そして朝食後、僕らも出発した。
僕はどうやら風邪を引いたようだ。
ここ最近の夜の冷え込みが激しかったからだろう。鼻水が止まらない。
しかし、帰り道は景色もよく楽しいものだった。
眼下に見えるペワ湖が降りるごとに大きく美しくなっていった。
歩いているとナラエンが歌を歌いだした。ネパールの人なら皆知ってる有名な歌らしい。
何という歌か忘れてしまったが今でもそのフレーズが耳に残っている。
その後ナラエンは突然「手をつなごう。」と言って僕と手をつなぎはじめた。
あのー・・・。
「ネパールでは友達同士は手を繋いで歩くんだよ。」
そうだ、そうだった。
そういえばインドでも男同士手を繋いだり肩を組んだりしながら歩いている人を見かけたっけ。
でもね、僕を友達としてみてくれるのは嬉しいんだけど・・・、
日本人から見たら変な事なんだよ、これは
もし、通りがかりの日本人にこれを見られたら「キモッ!」って思われたに違いない。
あるいはヘギョンもそう思ったかもしれない。

 街に戻るころには雨が降ってきていた。
少し見ないうちに町の様子は随分変わっていた。
明日から始まる「NEW YEAR FESTIVAL」のためだ。
街はその準備のためにわかに活気付いていた。
僕は部屋に戻るとベッドに倒れこんだ。熱が出てきた事に気付いた。
日本では風邪を引いても熱が出ることはほとんどないのに。
雨は強くなる一方で、僕はとても寒かったのでしばらく寝込んでしまった。

 夕方、僕は起きるとヘギョンと夕飯を食べに出かけた。
そのレストランのテレビは衛星放送で日本や韓国の番組も放送していた。
中国語の字幕がついた韓国の恋愛ドラマを見てヘギョンが苦笑している。確かに笑えなくもない。
そして驚いたのはウェイトレス(?)のおばさんが日本人だったことだ。
その人は神戸出身で韓国人の友達がたくさんいること、ネパールは住み始めて3年だということ、それからネパール男に騙されて捨てられた友人の話を聞かせてくれた。
その友人はネパールである男と恋をしてその男にかなり貢いだそうだ。
しかし金がなくなり日本に帰ろうとしたときに大麻所持で逮捕されてしまう。
男は彼女の荷物の中にこっそり大麻の葉っぱを入れたのだという。別れるための工作か。
散々利用した挙句、金がなくなるとポイだ。
ひどい話だ。僕は怒りがこみ上げた。
日本人女性がネパールでモテるのは金を持っているからと言う面もあることを忘れてはいけない。
僕はそういう話を聞くと歯がゆくてしょうがなかった。

 ホテルに戻ると大晦日パーティをやる事となった。
しかし、予定していたバーベキューは雨のためベランダでしょんぼりやることに。
期待していたのとはかなり違った。
参加したのはたったの6人。
僕とヘギョンともうホテルに泊まっていたもう一人の日本人と、後はマネージャーとナラエンと、もう一人のスタッフ。
ナラエンやマネージャーは盛り上げようと音楽を流して踊っていた。
僕も酒を飲んで無理やりテンションをあげて踊ったのだがヘギョンともう一人の日本人は引いていた。
一緒に踊ってはくれないらしい。
何がパーティーだチクショー!


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