バラナシ編

スパイシーバイツ
 この日夕食は宿の近くのスパイシーバイツという所だった。
何でも昔、長渕剛が来たらしく彼のサインが飾ってあった。
店員には「長渕は好きか?」と聞かれ本当は好きでもなんでもなかったが 「好きです。」と言って適当に話を合わせるとBGMをわざわざ長渕に変えてくれた。
テープもよほど何度も回したのだろう、高くなったり低くなったりひどい音だった。
長渕はここバナラシに来て「ガンジス」という歌を作ったらしい。
その「ガンジス」を聞きながら目当ての親子丼が出てくるのを待った。
そう、僕は長渕ではなくここの日本食が食いたくてやってきたのだ。
インド料理なんてもう御免だ。
とにかく日本の食べ物が食いたい。
そして待たされること20分ほどでようやく料理が出てきた。
しかし何かの間違いだろうか?




僕の目の前に出てきたのは犬の餌だった。


いや、失礼。

でもどう見てもこのプラスチックの食器、
肌色だったはずのが茶色に変色した所とか、
外側が溶けたりひび割れたりしてボコボコなのは犬の食器だよな。
いや、日本なら犬でもこんなものは使わないよ。
まあここはインドだから何も言うまい。
味もとてもうまいとは言えなかったが(店員にはうまいうまいと言っておいた)ターリーよりははるかにマシなので我慢しておこう。



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