バラナシ編

サールナート
 昨夜は蚊取り線香のおかげでよく眠れた。
今日も元気に朝飯を食べホットシャワーを浴びる。
今日はサールナート(*11)に行ってみようと思った。
そして犬も歩けばリクシャーマンに当たる。
今日もまたサイクルリクシャーでGOだ。
但しこのリクシャーマンはとてもおしゃべりだった。
今までの経験上、おしゃべりなリクシャーマンほどろくな奴はいない。
こいつもそうだ。
時々後ろを振り返り
「ち●こ、ま●こ好きか?」とか
「インド人の女は好きか?」
「紹介してやるよ。若い方がいいか?12歳・13歳だ、どうよ?」
「ジキジキ(*12)って何か知ってるか?」
と、相当なジキジキマンだった。

僕はことごとく無視した。
お前はただ前見て走ってろ!!
気まずい空気が流れ男は話を変えてきた。
「お土産は買ったか?ムスリムの店に連れて行ってやるよ。」
結局はそれだ。僕は大きな声で
「NO!」と一喝した。
どうだ、参ったか。
結局あまりに取り付く島がないので彼も余計な事をするのは諦めたようだった。

サールナートにはかなりの時間がかかった。
とてものどかでいいところだった。
奥のほうには奈良公園を思わせるような鹿が沢山いて、子供が鹿用の餌を売りにきた。
今度の子供もまた違った表情を見せた。 初めは高い値段から始まったのだがいらないとはねつけるとすがる様な目でどんどん値を下げてきた。 そして最後には1Rsになってしまった。買った僕も少しかわいそうになるぐらい安い。
そのかわり僕は少しバナナを与えた。おいしいと言って喜んで食べていた。



サールナートにて。遠くに見えるのがダメーク・ストゥーパ。ストゥーパとはもともとブッダの遺骨が収められたもので日本の卒塔婆はこれに由来する。

サールナートから出ると目の前にオートリクシャーが止まり3人の韓国人が降りてきた
「アニョハセヨ」
僕を韓国人と思ったらしい。
3人は見るからに大学生と言う感じだった。
彼らとは行動を共にしたわけではないがこの先2度も再会することになる。

 帰り道、僕は目的地手前でリクシャーをいきなり降り、手早く料金を手渡して逃げた。
後ろから怒声が聞こえるがもう関係ない。
僕もリクシャーの扱いに慣れてきたようだ。

(*11)サールナート:ブッダが初めて説法したところ。
(*12)ジキジキ:こっちの言葉でセックスの事。


BACK TOP NEXT