ミャンマー旅行記

<長距離バスの旅>更新日2005.5.15
外国人旅行者は移動手段としてバスをよく使う。
国内は鉄道もちゃんと走っているが鉄道は国が運営しているため、外国人料金が適用されバスに比べ不当に高いのだ。
そのかわりバスは民間の会社が運行しているため安い。

しかし、バスの乗り心地はとても快適とは言えない。
車体はほぼすべて日本製の中古車。
数十年前日本で使われていたものが持ち込まれ、いまだこのミャンマーでは現役だ。
座席は昔の日本人サイズだからか妙に狭い。
小柄な人が多いミャンマーでは丁度いいのかもしれない。
外見も奇麗に塗り直している車もあるが、まだ日本語が書かれたままの状態で残されている物も多い。
きっと、これらの車は本当に走れなくなるまで現役だろう。
彼らにとっては必要に駆られてだろうが僕はこういう風に物を大事にするミャンマーが好きだ。
なによりまず、走ればいいんだという最低限でかつもっとも重要なことが重視されていること。
この国にいれば今の日本では忘れ去られた車の持つ本来の役割を、ありがたさを思い出すことができるだろう。



ミャンマー国内で日本語のバスにお目にかかれるとはなんか嬉しい。


さて、僕はバスでの移動中にミャンマー人の妙な民族性のようなものを感じることがあった。

ある時、バスの中に物凄い土煙が侵入して大変だったことがあった。
それは夜だったのだが、備え付けのテレビから流れる映画が2〜3時間ずっと霞んで見えるぐらいだった。
寝ようにも喉が痛くて眠りにつけない。しかし不思議なことに乗客の多くがむせて咳き込んでいるにもかかわらず誰一人としてこの事態を解決しようとしないのだ。
まあ、僕もその一人なのだが、窓をきっちり閉めるなどすればなんとかできたはずなのに誰も何もしゃべらないし行動しない。
なんでだろう?

また夜中に高地を走ったことがあった。
物凄く冷え込んできたにもかかわらず、バスの窓は開けっ放し。誰も閉めない。
寒風がガンガン入ってとっても寒い。
後ろの座席の女性なんかは明らかに薄着で寒そうなしぐさをしていたし、僕の隣に座っている欧米系の女性旅行者は風邪を引いているらしく頭から毛布をかぶっていた。
みんな絶対寒くないはずは無いと思うのだが・・・
さすがにこのときは僕は立ち上がり、バス中の窓を閉めて回った。

また別のバスでも同じようなことがあった。
日中と同じように冷房をかけていたら夜中に効きすぎて車内が物凄く寒くなった。
そのときも僕が休憩中に添乗員らしき人に「冷房効きすぎて寒くない?」と言って初めて冷房を止めてくれたのだ。

これはミャンマー人が寒さに強いからではないと思うのだ。
奥ゆかしいというか、あまり自分の意見を言わないような国民性があるのではないだろうか?
これだけじゃなんとも判断しがたいかもしれないが僕はミャンマー人をそういう人達だと受け止めている。


そしてバスといえば、今回もお約束のように途中で故障してくれた。
バスが急に停車したと思ったら、オーバーヒートしたらしい。
あまりに加熱したためかラジエターに水を注ぐとすぐにゴボっと熱湯が飛び出してきた。
そんな事態でもこの国の人は全くあわてることはなかった。
僕はそのとき丁度後ろから来た別のバスに乗せてもらえることになった。



ラジエターにペットボトルで水を注ぐ。すごい蒸気だ。




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